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20年度財政赤字 6兆2000億円に改善 経財諮問会議が新試算
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経済財政諮問会議で挨拶する安倍晋三(しんぞう)首相(左から2人目)=2015年7月22日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影) 政府は22日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、「中長期の経済財政に関する試算」を示した。新たな借金をせずに政策経費を賄えるかを示す国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)について、国内総生産(GDP)成長率が平均で実質2%以上、名目3%以上の「経済再生ケース」の場合、2020年度の赤字幅を6兆2000億円とした。景気回復による税収増で、今年2月の試算(9兆4000億円の赤字)から大幅な改善を見込んだ。
安倍首相は「着実なデフレ脱却、経済再生に向け取り組むとともに、PB赤字の対GDP比の改善を実現していくことが重要だ。歳出改革の具体化を進めてほしい」と指示した。
政府が6月に示した財政健全化計画では、20年度にPBを黒字化する目標を掲げている。だが、今回の試算では成長戦略や骨太方針に盛り込まれた歳出・歳入改革の政策効果や数値の明示を見送ったため、赤字の試算となった。諮問会議では、足元の経済動向を反映した16年度の経済成長率の見通しも示された。個人消費の回復は遅れているものの、企業の設備投資が堅調に推移していることから名目で2.9%、物価上昇分を除いた実質で1.7%。名目は3%近い高成長、実質は15年度見込みの1.5%から加速するとした。
17年4月の消費税率引き上げによる駆け込み需要も経済成長率を押し上げる見通しだ。
≪政府目標となお乖離 遠い黒字化の道≫
22日の経済財政諮問会議で示された中長期試算では、政府が財政健全化計画で掲げた2020年度の国と地方のPB黒字化は反映されず、目標達成に向けた道のりの厳しさが改めて浮き彫りとなった格好だ。政府は「あらゆる政策を通じて、目標達成を目指す」(政府関係者)方針だが、「黒字化達成への道筋があいまいだ」との指摘もくすぶる。
今回の試算では、経済再生ケースにおける20年度のPB赤字は、従来試算と比べて歳出で1兆8000億円、歳入で1兆4000億円と計3兆2000億円の圧縮を実現した。だがPB黒字化にはまだほど遠い。18年度のPB赤字幅もGDP比で1.7%と、政府目標の1%程度とは差がある。
報道陣から財政健全化計画との齟齬を指摘された政府関係者は、「(PB黒字化の)旗を降ろしたわけではない。達成は十分可能だ」との釈明に終始した。政府は骨太方針や新たな成長戦略で示した方向性について「16年度の数値では反映させた」と説明する。
ただ、経済再生ケースで改善が見込まれる国・地方の債務残高の対GDP比については、「低金利に相当助けられている」(内閣府)のが実情だ。日銀の異次元緩和の「出口」が意識されれば、金利が上昇し、国債の利払いが財政を圧迫する恐れもある。政府の青写真は、大きく崩れる危険性もはらんでいる。
諮問会議は今後、財政健全化計画の進捗(しんちょく)をチェックする専門調査会を新設し、歳出改革の数値目標を設定するなど、PB黒字化に不退転の決意で臨む考えだ。ただ、甘利明(あまり・あきら)経済再生相は20年まで「消費税率を10%超とすることはない」とも述べており、政府が取り得る選択肢は限られる。目標達成には曲折が予想される。(SANKEI EXPRESS)