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最低賃金18円上げ 広がる地域差 「非正規」の待遇改善 中小の経営に足かせも

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最低賃金18円上げ 広がる地域差 「非正規」の待遇改善 中小の経営に足かせも

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横断歩道を行き交う人々。最低賃金の引き上げ幅は過去最大となった=2015年6月8日、東京都内(ロイター)  厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会は29日、2015年度の地域別最低賃金の改定について全国平均の時給で18円引き上げ798円とする目安をまとめた。目安通り引き上げられれば、14年度の16円増を2円上回り、02年度に現在の方式になって以来、最大の引き上げ幅となる。

 東京など初の900円

 景気の回復傾向を反映したことに加え、安倍政権が大幅な引き上げに意欲的なことも影響した。東京、神奈川では初めて900円台となるが、高知など最低額の地域は700円に満たないままで地域差は拡大した。

 最低賃金は都道府県ごとに決められ、小委員会が示した各地の上げ幅の目安は16~19円とした。30日に審議会を開き、正式に答申。その後、各地の地方審議会で協議し、10月ごろから適用される見通しだ。

 最低賃金は全ての働く人が企業から受け取る賃金の下限額で、パートやアルバイトら非正規労働者の時給に影響する。

 沖縄は693円

 都道府県を経済規模などに応じてA~Dの4ランクに分類して示す引き上げ額の目安は、東京、神奈川などのAは19円、静岡などBは18円、岡山などCと青森などDはともに16円となった。B、C、Dの上げ幅は、02年度以降で最大。この結果、最も高い東京の907円と最も低い沖縄などの693円との差は214円に広がった。

 最低賃金で働いた場合の収入が、生活保護の給付水準を下回る逆転現象は勤労意欲をそぐとして課題となってきたが、14年度改定に続き、今回も逆転は生じない見通し。

 小委員会では労使が対立。物価の上昇が続き、15年春闘では大企業の賃上げ率が2%を超えたとして、労働側は20円を超える増額を要求した。経営側は、大幅な引き上げは地方の中小企業などの経営を圧迫すると牽制(けんせい)し、昨年度の16円を超える増額に反対した。両者の意見は一致せず、最終的に公益委員が見解を示し決着した。

 ≪「非正規」の待遇改善 中小の経営に足かせも≫

 中央最低賃金審議会の小委員会が、2015年度の地域別最低賃金の改定で、全国平均で時給18円増とする目安をまとめました。

 Q 地域別最低賃金とは何ですか

 A 都道府県ごとに決まっている賃金の最低額です。時給で示され、現在の全国平均は780円です。働く人すべてに適用され、引き上げはパートやアルバイトなど非正規で働く人への影響が特に大きいです。

 Q なぜ定めているのですか

 A 賃金は、企業と労働組合などの当事者が交渉して決めることが原則です。ただ働く人の立場は弱いため、賃金の最低額を決め、労働者が不当に低い賃金で雇われることがないようにします。働く人の健康で文化的な生活を支える役割があり、企業が最低賃金を下回る給料しか払っていない場合、罰則があります。

 Q どのように決まるのですか

 A 労使の代表や有識者で構成する中央最低賃金審議会で協議し、都道府県ごとに増額の目安を決めます。経済規模などに応じて都道府県をA~Dの4ランクに分けて示します。その後、各地の審議会が地域の実情を踏まえて議論し、労働局長が正式に決めます。新しい最低賃金は10月1日ごろから適用されます。

 Q 今回の目安の評価は

 A 13年度改定では全国平均で15円増え、14年度は16円増となりました。15年度は目安通りに決まると18円増で、現行方式となった02年度以降で最大の上げ幅となります。各地の上げ幅は16~19円ですが、地方審議会の協議で目安より上積みされる地域もありそうです。

 Q なぜ注目されているのですか

 A 働いても暮らしが豊かにならないワーキングプアや、リーマン・ショック後の「年越し派遣村」などで、非正規で働く人の生活や待遇の厳しさが社会問題となりました。また最低賃金で働いた場合の手取り収入が、生活保護の給付水準を下回る「逆転現象」も発生。最低賃金の引き上げに政府が力を入れるようになりました。

 Q 今回、大幅増となった理由は

 A 景気の回復傾向に加え、仕事を求める人1人当たりの求人数を示す有効求人倍率が約23年ぶりの高水準になるなど雇用情勢の改善が続いていることが大きな理由です。安倍晋三首相が経済財政諮問会議で、大幅引き上げに意欲を示すなど政権の意向も反映されました。

 Q 今後の課題は

 A 地域差が広がっていることが気がかりです。目安通りに最低賃金が改定されると、最も高い東京都(907円)と最も低い熊本県など(693円)の差が214円となります。また業績が厳しい地方の中小企業などにとって人件費の負担が重くなり、経営の足かせになると経済団体は心配しています。(SANKEI EXPRESS

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