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異色学生起業家に直撃インタビュー(下) 「仕立てたスーツで活躍」にワクワク

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異色学生起業家に直撃インタビュー(下) 「仕立てたスーツで活躍」にワクワク

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顧客に最も似合うものを提案する「Gene&co.(ジン&カンパニー)」のオーダーメードスーツ=2015(平成27)年(大東文化大学、小指眞佳撮影)  【Campus新聞】

 ――この仕事をしていて、やりがいを感じるのは、どんなときですか

 「お客さまが心から喜んでくださったときです。お客さまの笑顔を見るたびに、もっとたくさんの方にファッションの素晴らしさ、感動を届けたいと強く感じます。特に思い出に残っているお客さまが2人います。1人目は、高倉豊さんです。高倉さんは、ファッションブランドのイブ・サンローランや化粧品ブランドのシスレーで活躍し、スイスの時計ブランドのウブロの日本法人の代表として5年間で売り上げを3倍に伸ばし、憧れのブランドへと成長させた方です。現在はビジネスコンサルタントとして、執筆活動や講演活動をされています」

 かけがえのない出会い

 「高倉さんから教えていただいた考え方によって、今の自分があると思っています。それは『限られた状況の中で成果を出すことが大切』というものです。そして、『正しいことをやっていても差別化にならない。疑ってみることが大切』ということ。この考え方を教えていただいてから、できないことをできないと捉えるのではなく、どうやったらできるかを常に考え、常識を疑い、本質は何か考えることができるようになりました。

 だからこそ、大学生でも事業を確立できたと思っています。色彩効果や心理効果を考え、生地を選び、お客さまに最も似合うものを提供します。高倉さんも自分が仕立てたスーツをとても気に入ってくださりました」

 「2人目は、不動産会社のメイクスの副社長の男松祐次さんです。男松さんにもオーダーメードスーツを作らせていただきました。メイクスは土地取得からマンション開発、販売後の管理まで自社スタッフが一貫して行い、ワントップで顧客をサポートすることが強みで、笑顔のすてきな社員が多い会社です。そして、男松さんには、悩んでいる時にいつもアドバイスをしていただいてます。スーツを大変気に入ってくださり、『また作ってよ』と言われたときは心からうれしかったです。ビジネスの第一線で活躍する2人に笑顔で心から喜んでいただいたことは誇りです。考えてみてください。自分が仕立てたスーツを着たお客さまが、業界の最先端で活躍する。これほどワクワクすることはありません」

 環境を言い訳にしない

 ――一番苦労したこと、それをどうやって乗り越えたのか教えてください

 「起業する前が一番悩みました。悩んだことは2つ。1つ目は、厳しい環境にあるファッション業界でお金を稼いでいけるか。2つ目は、好きなことを仕事にするべきかどうかです。この景気が悪い中、ファッション業界で生き残っていけるのか、当時はとても不安でした。そんな不安を吹き飛ばしてくれたのは、親友の存在でした。その親友はプロドラマーを目指して、毎日寝る間を惜しんで練習しています。環境を言い訳にしているだけだと気付き、恥ずかしくなりました。『努力して夢をかなえればいい』と、親友のおかげでファッション業界に挑戦することを決意できました」

 ――好きなことを仕事にしない方がいいというのは、どういうことですか

 「尊敬していた経営者の方に『好きなことを仕事にするべきではない。才能を生かせる仕事をするべきだ。君の才能を生かせる仕事は他にいくらでもある』と言われました。すでにファッション業界に挑戦すると決心していたのですが、少し考えました。それでも、自分の中でぶれませんでした。『自分はファッションをただ好きなだけではない。人生を変えることができる幸せの法則だと思っている』と、その経営者に伝えたら、こう言われました。『それこそが君の才能だ。情熱のあるものに対しては絶対に曲げないこと。他人から何を言われようと、信じることをあきらめない。それが君の才能で、天賦のものです』と。起業の難題を乗り越えることができたのも、自分を信じ続けたからだと思っています。出会った全ての方に感謝して、自分を信じて、仕事をしていこうと考えています」(今週のリポーター:大東文化大学 有志学生記者 小指眞佳/SANKEI EXPRESS

 ■ひろせ・せいや 「Gene&co.」代表。東海大学文学部心理社会学科4年。1993年12月、群馬県生まれ。21歳。大学在学中にベンチャー企業で営業や企画を務め、2015年3月に起業。オーダースーツ、ジャケットなどのファッション事業を展開している。

 【編集後記】

 インタビューを通じて、広瀬さんは人との縁を大事にしている方だと強く感じた。服を売るまでが仕事なのではなく、スーツを着てもらい、お客さまを輝かせ、豊かな人生を送ってもらうまでを仕事としていることが伝わってきた。

 ファッションに対する情熱も感じた。ファッションの話をしているときの広瀬さんはとても楽しそうで、無邪気な子供のようで、本当にファッションが好きなのだと感じられた。もちろん起業するまで、起業してからも多くの苦労や苦難があったと思うが、広瀬さんはその話すらも楽しそうに笑顔で話していた。

 今回のインタビューを通してさまざまなことを学んだ。人と人とのつながりの大切さや、利益ではなくお客さまの本当の幸せを願うからこそ商品を買ってもらえるということ。インタビューをしていく中で広瀬さんの人柄に引き付けられ、ファンになった。広瀬さんが作る服は、世の中で自分に自信を持つ人を増やしていく原動力になると感じた。

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