新日鉄住金が、長さ150メートルの鉄道用レールをそのまま出荷する態勢を整え、今月下旬、外部での試験運搬を初めて行う。「世界最長のレール」を武器に世界でのシェア拡大を目指したい考えだ。
同社の鉄道用レールは八幡製鉄所(北九州市)でつくられている。製造される際は150メートルだが、「従来は25メートルまたは50メートルにカットして運搬していた」と建材事業部軌条室の安西浩一郎室長は話す。このため、鉄道会社ではいったん切断されたレールを再び溶接して敷設する“二度手間”が発生していた。
150メートルのまま運べるようになったのは「この長さのレールを置ける『精整ヤード』を確保し、さらにそれを貨車に積み上げることのできるクレーンを導入したことが大きい」(安西室長)という。
運搬には、9両の貨車を用いる。積載用の台を貨車に載せ、下段に10本、中段に10本、上段に8本のレールを積み、上から押さえる。5両目の貨車の部分だけレールが前後方向にすべらないように、レールの間にスペーサーを挟んでボルトで固定するという。