海外の大学や大学院で学んだ外国人の新卒者を採用する動きが日本企業に広がっている。市場の伸びが見込める新興国地域で事業をできるだけ早く拡大するためには現地の慣習や生活を肌で知り、専門知識を持つ若い人材が欠かせないからだ。中でも東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心とするアジア地域の理系学生は人気が高い。呼応する形で日本の人材サービス会社も日本語講座を開くなど海外での取り組みを活発化させている。外国の人材確保が日本企業のグローバル戦略に組み込まれる中で、人材サービス会社が担う役割は一段と重要になりそうだ。
学生は安定性重視
「どのような人材を求めているのか」「どうやって応募すればいいのか」
雨期を迎えたインドネシアで1月下旬、インドネシア大学工学部(西ジャワ州)の教室に集まった100人の学生から、せきを切ったように質問が浴びせられた。
人材サービス会社のレボコミュニティ(東京都千代田区)が運営する日本語の授業が終わった後、予定になかった大手素材メーカーの人事担当者との質疑応答の場での出来事だ。この人事担当者は、会社が現地での合弁事業を視野に入れていることもあり、人材を確保する狙いから「日本の東大」と位置付けられるインドネシア大を視察に訪れていた。