タカタ製エアバッグのリコール(回収・無償修理)が拡大している。14日にはホンダやダイハツ工業が、前日のトヨタ自動車や日産自動車に続いて、リコールを国土交通省に届け出た。原因不明の異常が見つかるたび、自動車メーカーがリコールを行う状況が続いており、収束の兆しは見えないままだ。
ホンダは同日、今回のリコールが日本を含む世界で約490万台に上ることを明らかにした。2008年以来、タカタ製エアバッグにからむ同社のリコールは自主回収なども含めて約1960万台に膨らんだ。
新たなリコールに踏み切ったのは、調査を目的に国内で無作為に回収したエアバッグのガス発生装置でガス発生剤の異常が見つかったためだ。仮に異常破裂が起きれば乗員を傷付ける恐れがある。原因は特定できないものの、昨年12月のリコール同様、「被害を防ぐための予防的措置」(広報部)を取った。当初のリコールは、タカタが00年代前半に海外工場で生産したエアバッグが対象で、発生剤の成形時の圧力不足や湿度管理など製造上の不備が主な原因だった。だが、その後も、米国などで原因不明の異常破裂が相次いだ。
タカタや自動車メーカーは回収したエアバッグの調査を進めている。タカタがガス発生剤に使用する硝酸アンモニウムは気温や湿度によって不安定化しやすく、過酷な環境での経年劣化や設計上の問題なども指摘されているが、特定には至っていない。今回、国内各社が届け出たリコールの対象車は主に04~08年ごろのモデルで、これまでの中心だった00~03年ごろのモデルより新しい。