近畿で唯一、関西広域連合に参加していない奈良県の荒井正吾知事が部分参加を表明したことで、リニア中央新幹線のルートをめぐる“バトル”が再び勃発することが懸念されている。昨年、関西主要経済界が「奈良ルート」を押し出すことにしたが、いまだに京都側は諦めておらず、関西は一枚岩になり切れていない。荒井知事は「国が決めたものを(広域)連合の意思で変えるのはおかしい」などと京都側の反発に警戒感を強めており、奈良の広域連合参加は波乱含みとなりそうだ。(有川真理)
奈良「部分参加」で関西一丸は前進だが…
「(広域)連合の会議の中で、リニアの『奈良駅』も変えられると発言されている知事もおられるが、大変怖い発言だ」
今年3月、広域連合への部分参加を表明した荒井知事はこうクギを刺し、広域連合内でのリニアのルートをめぐる議論には応じない姿勢を強調した。
そもそも、広域連合には一貫して「不参加」としてきた荒井知事。今春の知事選を前に急遽(きゅうきょ)、部分参加を表明したのは広域連合の組織自体の変化によるところが大きい。