東芝が売却交渉を進めている東芝メディカルシステムズ(栃木県大田原市)の瀧口登志夫社長は、26日までにフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、「売却先の意向によるが、成長資金を獲得するため、新規株式上場も選択肢」との考えを示した。画像診断装置を軸に周辺事業も伸ばし、「3年後に売上高を(現在の2割増の)5000億円に引き上げたい」と語った。
瀧口社長は資金力が豊富な企業と組むことで、「ゼネラル・エレクトリック(GE)ヘルスケアや独シーメンス、オランダのフィリップスの『ビッグ3』に追いつきたい」と述べた。
東芝メディカルによると、同社の画像診断装置の市場シェアは12%で4位に甘んじている。ビッグ3は2000年代にM&A(企業の合併・買収)で事業を拡大し、シェアをそれぞれ20%前後に伸ばした。瀧口社長はM&Aの資金調達の手段として、新規株式上場の可能性も示唆した。
今回の売却対象については「東芝メディカルの事業すべて」と述べ、東芝本体が手がける、がん治療用重粒子線装置やゲノム解析サービスなどは含まれない。人員削減や拠点閉鎖の予定はないとした。商品のブランド名も維持する方向だ。