マリーナベイ・サンズのジョージ・タナシェヴィッチ社長【拡大】
カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)運営大手の米ラスベガス・サンズは、子会社のマリーナベイ・サンズ(MBS、シンガポール)を通じて日本市場で4月から集客キャンペーンに乗り出す。日本のIR推進基本法案の成立は遅れているが、MBSのジョージ・タナシェヴィッチ社長はフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、「日本に100億ドル(1兆1100億円)規模を投資する計画に変化はない」と言及。日本市場参入に強い意欲を示した。
日本でIR推進基本法案の成立が難航している点について、タナシェヴィッチ社長は「時間がかかるのは必要なプロセスだ。日本市場進出がわれわれにとって最大のチャンスだということに変わりはない」と指摘。ラズベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長が2014年に日本への100億ドル投資を表明したが、タナシェヴィッチ社長は「その考えは今も同じだ」と述べた。
MBSは10年に開設したシンガポール初のIRで、14年には安倍晋三首相らIR実現を目指す与党議員などが相次ぎ視察に訪れている。しかし、IR推進基本法案成立は公明党などの反対でめどが立たず、仕切り直しを余儀なくされている。