
ダイハツ工業の新型「ムーヴキャンバス」をPRする女優の高畑充希さん=7日、東京都千代田区【拡大】
軽自動車開発で個性を競う動きが広がってきた。昨年の軽自動車税増税で市場が冷え込む中、女性が好むかわいいデザインの採用や、男心をくすぐる走りにこだわったモデルの投入などターゲットを絞った需要喚起策を通じて新規顧客を掘り起こし、熾烈(しれつ)な販売競争を優位に進める狙いだ。
ダイハツ工業は7日、新型軽乗用車「ムーヴ キャンバス」を発売したと発表した。30~40代の女性をターゲットに、女性が好む丸みのあるデザインや個性的な色合いなどをふんだんに取り入れた。後部座席の両側ドアにはスライド式を採用したほか、後部座席の下に荷物を収納できるボックスも設けて、利便性も高めた。希望小売価格は118万8000円から。月間5000台の販売を目指している。
ダイハツはこれまで軽乗用車では低燃費や居住空間の広さを訴えてきた。しかし似たようなタイプの車両が他社でも氾濫。市場自体も昨年の増税で急ブレーキがかかる中、販売を維持していくためには、これまでは重視してこなかったニーズの掘り起こしが必要と判断した。今後もターゲットを絞った開発に積極的に取り組み「買い替え需要を取り込む」(成瀬修執行役員)狙いだという。