住友化学は26日、米化学メーカー、トリンセオとのポリカーボネート樹脂の合弁を解消すると発表した。折半出資会社「住化スタイロンポリカーボネート(SSPC)」について、住化がトリンセオの保有株を1月31日付で買い取り、完全子会社化する。取得額は数十億円とみられる。
トリンセオは、事業の選択と集中を進め、低燃費タイヤ原料などに経営資源を重点投入するなかで売却を判断した。一方、住化は今後、アクリル樹脂など他の高機能素材と合わせて売り込み、収益向上を図る考えだ。
SSPCは、愛媛県新居浜市にある住化の工場内に本社を構え、国内3番目となる年6万トンを生産している。生産したポリカ樹脂は、トリンセオなどを通じて、カーポートの屋根や高速道路の遮音壁、自動車のヘッドライトカバー向けに供給している。トリンセオには、合弁解消後も供給を続ける。また、社名は「住化ポリカーボネート」に変更する予定だ。
住化は、1996年に米ダウ・ケミカルと折半出資会社「住友ダウ」を設立し、ポリカ樹脂の生産に乗り出した。その後、2010年にダウから事業を引き継いだスタイロン(現トリンセオ)が持ち分を継承し、SSPCに社名変更していた。