日航、国際線機内食てこ入れ エコノミークラス LCCと差別化

日本航空が日本発国際線のエコノミークラスで提供する若手料理人監修の機内食=28日、東京都大田区
日本航空が日本発国際線のエコノミークラスで提供する若手料理人監修の機内食=28日、東京都大田区【拡大】

 日本航空は28日、9月1日から日本発国際線のエコノミークラスで提供する新しい機内食を発表した。若手料理人が工夫を凝らしたメニューで、機内食が有料の格安航空会社(LCC)との差別化を図るほか、訪日外国人客の獲得にもつなげたい考えだ。

 導入したのは欧米や東南アジアなどに向かう中長距離路線のエコノミークラス。来年8月末まで提供し、季節ごとに変わるメニューを35歳未満の料理人が腕を競うコンクール「RED U-35」で優秀な成績を収めた6人が監修する。

 今秋メニューのメイン料理は2種類用意。「スーツァンレストラン陳」(東京都渋谷区)料理長の井上和豊さん(36)は、辛みを抑えたエビチリに味付けライスを添えた一品を、ザ・プリンスパークタワー東京(港区)の「レストラン ブリーズヴェール」料理人の桂有紀乃さん(32)は、赤パプリカを使った色鮮やかなソースが光るハンバーグを開発した。

 機内食をめぐっては、LCCも有名飲食店と連携し軽食メニューで知恵を絞っており、大手航空会社は機内サービスの差別化が一段と迫られている。このため日本航空は、機内食や飲料などのサービスを運賃に含める大手航空会社の強みを前面に出すため、2015年夏から国際線エコノミーに監修メニューを採用。全日本空輸も9月から国際線エコノミーの全路線で宮城県の人気酒蔵「一ノ蔵」の日本酒を提供するなど、機内食の充実に取り組んでいる。