再配達のワガママが通じるのはいまだけだ 物流費込みの“希望小売価格”に迫る限界(後編) (1/6ページ)

 ヤマト運輸が顧客からの仕事を抑制しなくてはならないほど、物流運輸業界は今、空前の人手不足にあえいでいる。有効な打ち手のひとつは「配送料の値上げ」だ。しかし物流費があらかじめ「希望小売価格」に含まれているなど、不透明な取引制度が立ちはだかっている。どうすればいいのか。物流運輸業界に詳しいBCGのコンサルタントが解説する--。(後編、全2回)※前編はこちらから

※写真はイメージです(Getty Images)

※写真はイメージです(Getty Images)

 SCMの抜本な効率化に欠かせない異業種間の共同配送

 弊社の予測では10年後にトラックドライバー(以下、ドライバー)が24万人不足する。この空前のドライバー不足を埋めていくには、対症療法的な対策では全く解決できない。垣根を越え、荷主の協力を得ながら業界全体で対策を打ち出していく必要がある。具体的に言えば、それはサプライチェーンマネジメント(SCM)の抜本的な効率化である。B2B2C(企業対企業対消費者)とB2B(企業対企業)の2つに分け、そのカギがどこにあるのか示したのが図表1である。

(PRESIDENT Onlineより)

(PRESIDENT Onlineより)

 B2B2Cの場合、工場で作られた商品は卸、小売を通って消費者へと届く。この流れで考えられる打ち手のひとつは「共同配送」を推し進めていくことだ。とはいえ、企業グループ内に関して言うと、物流に関してはすでに協調領域という認識が一般的であり、共同配送はかなり進んでいる状態だとも言える。したがって、もう一歩踏み込んで効率化を進めようとすれば、異業種間の共同配送を実現すべしということになる。

日本で始まっている「F-LINE」