ノーベル化学賞 スイスと米国、英国の3氏に授与 日本人研究者の受賞ならず

ノーベル化学賞を受賞した3氏。左からスイスのジャック・デュボシェ、米のヨアヒム・フランク、英のリチャード・ヘンダーソンの各氏=4日、ストックホルム(ロイター)
ノーベル化学賞を受賞した3氏。左からスイスのジャック・デュボシェ、米のヨアヒム・フランク、英のリチャード・ヘンダーソンの各氏=4日、ストックホルム(ロイター)【拡大】

  • ノーベル化学賞の発表を待つ取材陣=4日、ストックホルム(ロイター)
  • ジャック・デュボシェ氏
  • ヨアヒム・フランク氏
  • リチャード・ヘンダーソン氏

 【ロンドン=岡部伸】スウェーデン王立科学アカデミーは4日、2017年のノーベル化学賞を、生体の分子構造を高解像度で観察できる「クライオ電子顕微鏡法」の開発に貢献したスイス・ローザンヌ大のジャック・デュボシェ名誉教授(75)、米コロンビア大のヨアヒム・フランク教授(77)、英MRC分子生物学研究所のリチャード・ヘンダーソン博士の3氏に授与すると発表した。ノーベル賞の自然科学系の3つの賞で4年連続の日本人研究者の受賞はならなかった。

 従来の電子顕微鏡は強力な電子ビームが生体の試料を破壊してしまい、死んだ状態の観察しかできない課題があった。デュボシェ氏は1980年代初頭に水を急速に冷却し、試料の周囲に固定することで、試料を自然な形で観察することに成功した。フランク氏とヘンダーソン氏は試料を三次元の状態で観察する技術の実現に貢献した。

 この技術は生化学の分野で急速に普及し、研究の発展をもたらした。

 フランク氏は「驚きのあまり言葉が出なかった。技術のブレークスルーのインパクトは大きく基礎研究へ貢献できる」と喜びを語った。

 授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金計900万スウェーデンクローナ(約1億2500万円)を3氏に等分して贈る。