サンマといえば「秋刀魚」と書くように秋の味覚の代表選手。ところが、紀州熊野では寒さがピークの今がサンマの旬なんですよ。
サンマは太平洋を南下するにつれ脂が落ちて身が締まるからで、熊野灘で1月に水揚げされるものは、脂が抜けたやせたサンマ。これを、はらわたを取らずに丸のまま天日干しにした丸干しこそ、旨みが凝縮し、噛むほどに味わいとほろ苦さを楽しめる冬の逸品です。1月26日に三重県熊野市で開かれた「熊野きのもとさんま祭り」には、市内外から5千人が訪れ、多くの人が開きの干物とは違う味わいを楽しんでいました。
熊野で明治から続く干物屋・畑辰商店の畑井宏彦さんは「丸干しは漁の時間帯によって味が違う。熊野の漁師は夕方から朝まで漁に出るが、胃の中が空っぽに近づく明け方に採ったものが、はらわたの味が良くさらにおいしい丸干しになる」といいます。塩で一晩寝かせて塩抜きし、半日冷風乾燥させ、更に天日で2日干す。身の厚さが干す前の半分から3分の1程度に薄い、地元言葉でいう「かんぴんたん」になったら完成。それを網で焼いて食します。お酒のアテにもぴったりだけど、やっぱり白いごはんと食べるのが一番という畑井さん。う~ん、私も同感です!
<プロフィル>
いとう・りな 秋田朝日放送、福島テレビを経てフリー。現在リポーター、ナレーター、司会として活動。オフィスコットン所属
◇
局アナnetはテレビ局やラジオ局に「局アナ」経験を持つアナウンサーのみが登録できる日本初の会員組織。転職支援やキャリアアップのコンサルティングサービスを行っている。公式サイト(http://www.kyokuana.net/fujisankei.html)では、関連動画がごらんになれます。