「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」後1世紀_ナポリ国立考古学博物館蔵(提供写真)。(C)ARCHIVIO_DELL’ARTE-Luciano_Pedicini/fotografo【拡大】
【アートクルーズ】
森アーツセンターギャラリー(東京都港区六本木6の10の1)では4月29日~7月3日まで、日伊国交樹立150年記念「世界遺産 ポンペイの壁画展」が開催される。18世紀に発見され、これまでイタリア国外に持ち出されたことのない「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」など古代ローマの文化や暮らしを伝える約80点が展示される。
ポンペイは紀元後79年、ベスビオ火山の噴火で突然、死の町と化し、時代や暮らしが瞬間的に閉じ込められた。1748年に発掘が始まり、深さ約5メートルの地中から古代の町が出現すると、人々は大きな衝撃を受けた。1997年に世界遺産に登録され、年間200万人以上が訪れる観光地に生まれ変わっている。
今回の展覧会では、当時の人々の美意識とスケール感を共有できるように、「カルミアーノの農園別荘」と呼ばれる建物の一室を、立体展示で再構成。ポンペイの赤が象徴的な16枚のパネルを2000年前さながらに鑑賞させる。
「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」は、ギリシャ神話が題材。縦218×横182×厚さ35cmの大作だ。英雄ヘラクレスは、アルカディア地方の王女アウゲに生ませた子テレフォスと偶然、遭遇する。テレフォスはパルテニオン山に捨てられ、牝鹿(めじか)の乳で育てられていた。(SANKEI EXPRESS)