フィリピンは世界経済フォーラムが発表した2014年版「世界貿易円滑化指数」報告書で138カ国・地域中64位となった。輸送インフラの整備などの課題が残るものの、前回12年版の同72位から上昇し、国際競争力が着実に高まっていることが示された形だ。現地紙マニラ・タイムズなどが報じた。
貿易円滑化指数は、各国の輸出入に関する制度や政策、インフラ、サービスなどを評価して算出される。今回の報告書によると、同国は国内市場へのアクセスが19位、外国市場へのアクセスが26位と高評価を受け、順位を押し上げた。
一方で、今後の改善点も指摘されている。同国では汚職や賄賂が絶えないことから通関手続きの透明性が71位と低迷。また、空港が105位、港湾が107位と低迷しており、輸送インフラの整備が急務であることが浮き彫りとなった。
同国の主要企業で構成される経済団体のマカティ・ビジネス・クラブも、貿易の円滑化が進んでいるが、まだ問題が多く、特に輸出入コストの削減などを今後の課題としている。
なお、14年版の首位はシンガポールで4年連続となった。東南アジア諸国連合(ASEAN)域内では、マレーシアが25位、タイが57位、インドネシアが58位でフィリピンを上回っている。(シンガポール支局)