フィリピン南部ミンダナオ島への投資が拡大しそうだ。同国政府とミンダナオ島の反政府武装勢力「モロ・イスラム解放戦線」が3月末、包括和平合意書に署名し、治安回復の道筋ができたためだ。40年以上続いた武力紛争に終結のめどが立ったことを受け、米格付け会社、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、和平合意はフィリピン経済の活性化につながるとし、同国の格付けを引き上げる可能性を示唆した。現地紙インクワイアラーなどが報じた。
ムーディーズは、ミンダナオ島は金やニッケルなどの天然資源に恵まれているにもかかわらず、紛争により経済発展が遅れていると指摘。和平合意により、今後、特に鉱業分野への投資が加速し、観光客も増加すると予測する。
世界銀行もミンダナオ島の治安改善や社会開発への基金を拠出する方針を示すなど、注目が高まっている。三菱商事が同島での火力発電所の建設を受注するなどしており、今後、同島をめぐる国内外の企業の動きも活発化しそうだ。