フィリピンの経済特区で外国からの投資が加速している。同国経済特区庁によると、今年1~4月の経済特区への投資認可額は前年同期比25%増の724億ペソ(約1694億1600万円)だった。昨年の投資認可額は前年比11.5%減の2761億ペソと低迷したが、今年は投資環境の改善などを追い風に投資が上向いているもようだ。現地紙マニラ・タイムズなどが報じた。
投資業種は、電子部品や半導体などの製造業やIT(情報技術)関連に加え、外国企業などから業務の一部を請け負うBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業などとなっている。
日系企業による投資も相次ぎ、なかでも自動車用スイッチなどを手掛ける東海理化電機製作所(愛知県大口町)は、生産工場の拡張に10億ペソを投資する。
フィリピンには現在、約300の経済特区があり、輸出額全体の65%を担っていることから、投資加速は輸出増加を後押しする。
今年1~2月の経済特区からの輸出額は、前年同期比7%増の67億5000万ドル(約6899億1800万円)と好調だ。認可計画の実現で将来的に輸出の勢いが増すと予想される。
また、今年2月末の経済特区の雇用数は105万9000人で、昨年同時期の90万5769人から17%増加した。今後の投資拡大はさらなる雇用増につながると期待されている。
同庁では、今後さらに国内外からの投資を呼び込み、今年の投資認可額は前年比10%増を目指すとしている。(シンガポール支局)