経済演説を行う甘利明経済再生相=22日午後、国会・衆院本会議場【拡大】
麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相は22日、衆院本会議で、それぞれ財政演説と経済演説を行った。麻生氏は、民需主導の好循環による「強い経済」を実現するため「これまでの経済政策を一層強化する」と表明した。甘利氏は、2020年ごろに名目国内総生産(GDP)を600兆円に引き上げるという政府目標について、6月に策定する経済財政運営の指針「骨太方針」の中で「実現に向けた全体像を示す」と述べた。
日本経済の現状について、麻生氏は「デフレ不況から脱却しつつある」と分析。甘利氏も「デフレ脱却・経済再生に向けた取り組みは全体として着実に前進しており、景気は緩やかな回復基調が続いている」との認識を示した。
安倍晋三政権が成長戦略の柱と位置付ける環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の大筋合意を受け、麻生氏は、農林水産分野の競争力強化を目指し「輸出の促進、基盤整備に取り組む」と強調。甘利氏も「協定の早期署名・発効に取り組む」と述べ、農林水産業の成長産業化などに向けた政策について、今秋をめどに具体化するとした。