シンガポールは、長期的な大気汚染対策に取り組む。マサゴス・ズルキフリ環境・水資源相によると、同国は過去2年にわたり、大気汚染問題の解決を目指して世界保健機関(WHO)が示した2020年までのガイドラインの数値目標に届かなかったため、今後は取り組みを強化していく方針だ。現地紙トゥデーなどが報じた。
同相は、シンガポールが微小粒子状物質のPM2.5やPM10、オゾンなど複数の項目でWHOの数値目標に届かなかったと指摘。「大気汚染の低減に向け、一層努力していく必要がある」と述べ、電気自動車やバイオ原料を使用した環境配慮型ディーゼルの普及推進などを図る意向を示した。
ただし、シンガポール工科・デザイン大学によると、電気自動車は走行距離が短く充電設備が少ないといった短所があり、環境配慮型ディーゼルも市場が確立されていないため価格が高いなどの問題がある。
ズルキフリ環境・水資源相は「消費者や企業の負担が過剰にならない解決方法を探っていきたい」とし、長期的に実行可能な解決策であることが重要との認識を示した。