日本ハム対西武戦で七回、二ゴロに終わった日本ハム・稲葉篤紀=9月29日、札幌ドーム【拡大】
秋の風を感じるようになるとプロ野球の世界でも「引退」の見出しが多くなる。これまでの球界の慣例ではシーズン終了後に発表する場合が多い。しかしこの男は違った。今季限りで20年の現役生活にピリオドを打つ日本ハムの稲葉篤紀は、チームがまだクライマックスシリーズ行きをかけた佳境の9月2日に引退を発表した。
“神様”級の人気
「(2005年に移籍してきた)ヤクルトから日本ハムに来てこんな熱い応援をしてもらえるなんて夢にも思いませんでした」と話した。札幌ドームで稲葉が打席に入るとファン全員で飛び上がる「稲葉ジャンプ」がはじまったのは本拠地・札幌ドームではない。06年の楽天の本拠地がはじまりだった。
どのチームにも稲葉ファンは多い。それは野球記者も同じだ。巨人の選手などは特定の新聞記者にしか話さない選手が今でも多い。稲葉はどの記者でも分け隔てなく話してくれる。そればかりではない。会釈をすればあいさつもする。そんな「人徳」のある選手だった。