インドの高速鉄道への採用を競う日本の東海道新幹線の車両「N700系」(下、JR東海提供)、と中国版新幹線の「和諧号」(新華社=共同)【拡大】
受注に成功すれば線路や駅の建設だけでなく、関連設備や車両の製造、運行システム、維持管理など幅広い分野で大きな収益が期待できる。日本の鉄道インフラは、安全性の高さや正確な運行を実現するシステムやノウハウで世界の先端を走り、品質面での競争力は高い。日本から海外への輸出は現地生産化の加速や競争力の低下で近年ふるわないだけに、日本経済を牽引(けんいん)する新たな成長産業の有力候補といっても過言ではない。
インドの高速鉄道は、首都のニューデリーから西部の工業都市アーメダバード、インドの最大都市ムンバイをめぐり、南部のチェンナイと東部のコルカタを経てニューデリーに戻る環状網のルートを、既存鉄道の高速化も含めて7路線に分けて整備し、全土をつなぐという壮大な構想だ。
このうちJR東日本が新幹線の納入を目指しているのが、モディ首相の出身地でもあるグジャラート州アーメダバードとムンバイを結ぶ約520キロの路線。JR東日本など鉄道事業者10社が出資する日本コンサルタンツ(東京)を中心とする日本の企業連合が2013年12月に事業化調査を受注し、インド側と共同で需要予測や事業費の算出、基本計画の策定を進めており、15年7月ごろまでをめどに結果をまとめることになっている。