インドの高速鉄道への採用を競う日本の東海道新幹線の車両「N700系」(下、JR東海提供)、と中国版新幹線の「和諧号」(新華社=共同)【拡大】
「世界の中でも日本の鉄道会社はオペレーションやメンテナンスの面で非常に優れており、そうした力を切り札にして国際競争を勝ち抜きたい」と一歩も引かない構えだ。
日本政府もインドとの関係強化を重視しており、安倍晋三首相は来日したモディ首相と9月1日に首脳会談を行い、インドに今後5年間で3兆5000億円を投融資し、進出企業数を倍増させる共同声明を発表した。
また、インド鉄道省の幹部らを日本に招き、新幹線の運行状況を実際に見てもらうといった取り組みも官民が連携して既に行っている。さらに、鉄道などの大型プロジェクトでは「資金調達面で政府系金融機関の支援をパッケージにできるのが日本の強みの一つ」(商社関係者)となる。
4月にはJR東日本、東海、西日本、九州の4社やメーカーなどが参加する「国際高速鉄道協会」を設立し、理事長に元国土交通事務次官が就くなど、官民一体で新幹線を売り込む態勢も整えた。
ただ、習国家主席と李克強首相が手分けし、世界各国へのトップセールス攻勢を掛けるなど国を挙げて取り組む中国は手ごわい。資金面でも国有銀行が低利資金で支援する体制を整えており、日本に引けを取らない。