
伊方原発3号機の中央制御室で、再稼働のための操作をする四国電力の社員=12日午前、愛媛県伊方町(四国電力提供)【拡大】
5年以上の運転停止期間を経て、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)が再稼働した。昨年8月の九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の再稼働から11日で丸1年が経過したが、国内で稼働している原発は2原発3基のみ。原子力規制委員会による厳格な審査に加え、司法判断や大規模な対策工事が壁となり、長期停止を余儀なくされている。
規制委に審査を申請した計16原発26基のうち、合格したのは川内、伊方を含む3原発7基。規制委が当初、「半年程度」と見込んでいた審査期間は、1~2年を要している。次に合格に近いのは九電玄海3、4号機(佐賀県)、北海道電力泊3号機(北海道)だが、再稼働の具体的な見通しは立っていない。
関西電力高浜原発3、4号機(福井県)は審査に合格して今年1、2月に再稼働したが、大津地裁による運転差し止めの仮処分決定を受けて停止。高浜1、2号機は6月、40年を超える運転期間延長の審査に初めて合格したが、大規模な対策工事に2千億円超の費用を見込んでおり、再稼働は3年以上先だ。関電美浜3号機(同)も事実上の「合格証」が出ているが、運転延長の審査が続く。
川内1、2号機の再稼働により、九電では他電力から電力融通を受けるなど“綱渡り”状態だった電力供給が安定。経営も大幅に改善し、長期的な電力供給の見通しが立ちつつあった。だが、7月の鹿児島県知事選で当選した三反園訓知事が原発の一時停止を求めており、法的権限はないものの何らかの対応が求められそうだ。伊方3号機も運転差し止めの仮処分の申し立てが各地裁で相次いでおり、再稼働後の道のりもまた、平坦(へいたん)ではない。