『歴史と私~史料と歩んだ歴史家の回想』(中公新書、880円+税)【拡大】
このほか、佐藤栄作日記刊行をめぐる朝日新聞への“闘争宣言”、二・二六事件史料にまつわる松本清張の“嫉妬”、司馬遼太郎との幻の対談、経験則から得られたインタビューのコツなど興味深い話がぎっしり詰まっている。
80歳を超えたいまなお歴史家として使命感に燃え奔走しているが、史料が減りつつある現状には苦言も呈する。
「戦後日本は、あれだけ頑張って高度成長を成し遂げ、今もその遺産で世界三番目のGDPを誇っています。それなのに、どうやってこの国を作ったかという記録が、少ししか残っていない。係わった人はすごく多いはずなのに、非常に残念です」
戦後70年の今年、著者の発するメッセージはひときわ重い。(中公新書・880円+税)
評・花房壮(社会部)