「NTV火曜9時アクションドラマの世界」【拡大】
映画は立派な文化と位置づけられるが、テレビ作品に対する文化史的な位置づけは定まっているとは言い難い。著者らはテレビ文化論に意欲的に挑んだとも言えそうだ。
まあ小難しく言わずとも、誰が読んでも楽しめるはず。石原裕次郎や渡哲也、勝新太郎、松田優作といった大スターの横顔も活写されているのだから。彼ら個性派が表現者として何を目指したかに触れた場面もあり、演劇論の世界を垣間見ることもできる。
「自分が興奮できる内容をやりたいと思ったんだよね」。脚本家の一人はこう証言する。役者もスタッフも、自分の嗜好(しこう)に忠実なモノづくりを貫こうとした。著者らは記す。〈みんな、個性の強い『不良』だったのだ。……『不良』は最初から褒められたいとも思わないし、……自分のやりたいことをやるだけだ〉。モノづくりに賭けた人々の息吹を感じ、読者もアツくなれるに違いない。(DU BOOKS・2400円+税)
評・菊池一郎(千葉総局長)