「国土が日本人の謎を解く」【拡大】
大石は言う。限られた面積の狭い村々で厳しい自然に翻弄されながら生き続けてきた日本人は、互いに助け合う「共」の原理を発見した。それは、欧州人が発見した「公」の原理と根源的に違う。この点にこそ日本人の全ての謎が隠されている。
そんな日本人の真の姿は「のり越えるべきもの」では断じてない。そもそも今の日本の停滞は、我々が日本人であることを拒否し続けてきたところに全ての原因がある。むしろ日本人の真の姿は「受け止めるべきもの」以外の何物でも無(な)い。日本人が日本人であることを真正面から受け止めることができた時にはじめて我々は-柳田國男が遠野物語で平地人にそう宣言したように-あらゆる他民族を戦慄せしめることができる-それが本書の最大のメッセージなのだと思う。だから本書は、真の日本人の逆襲を真剣に希求する全ての日本人に読んでもらいたい作品なのである。(産経新聞出版・1300円+税)
評・藤井聡(京都大大学院教授)