時には患者さんから離れて1人の時間をつくる
もう1つ、たとえば配偶者がうつ病と診断されたときには、自分も妻や夫という役割の前に1人の人間だ、という点を心にとめておいてください。「妻(夫)としてこうするべきだ」と思い込んでしまうと、お互いに辛くなります。むしろ「自分はここまでしかできない」と一線を引き、周囲に助けを求めながら、時には患者さんから離れて1人の時間をつくるようにしましょう。
うつ病の治療には長い時間がかかることがあります。ですから、配偶者や家族も患者さんに振り回されず、自分の生活を守ることを含めて、自分ができることを客観的に見ることのできる距離感を保つことが大切です。
適度な距離感は、患者さん自身のためにもなります。心配のあまり、干渉しすぎると「自分はダメ人間だ」「負担をかけて申し訳ない」と自責の念を募らせかねません。うまくいかないことがあれば、患者さんのペースに合わせて話を聞き、そのつど、対応を考えるといいようです。
子供は「抑うつ状態」をうまく言語化できない
近年は子供のうつも増えています。
子供は「抑うつ状態」という抽象的な気持ちをうまく言語化できません。うつや絶望感といった複雑な感情を言葉で表現できるようになるのは、だいたい20歳前後といわれています。
したがって子供のうつ病に気づくには、大人以上に行動に目を向ける必要があります。遅刻が多い、成績が落ちた、学校に行く時間になってお腹や頭が痛くなる、などが頻繁に見られるようなら気をつけて見守ることが大切。
さらに注意したいのは、中高校生の非行です。言葉にできない抑うつ的な気分を問題行動という形で表現していることがあるからです。
ところが、周囲の大人は背景に目を向けず、表に現れた問題行動だけを責めてしまいます。そうするとますます「理解してもらえない」という絶望感にとらわれ、最悪の事態が起こる可能性もあるので注意が必要です。
子供のうつ病は、児童精神科や児童・思春期外来など専門医を受診したほうがいいでしょう。