20歳まで子供は“うつ”を言葉にできない 「うつ病」重さ別5つの対処法 (9/10ページ)

 ▼ここに気をつけよう! うつ病「べからず」集

 ●本人

 ・飲酒しない:依存症の危険、再発の誘因

 ●周囲

 ・心配しすぎない:患者が「周囲に負担をかけている」と感じてしまう

 患者の焦りを誘ってしまう

 ・原因を追求しすぎない:結局は患者を責めることになる

 ・心配を伝えるなら解決策とセットで:穏やかに言う、具体的な手助けを提示する

 出典:大野 裕『最新版「うつ」を治す』

 ◆「指導」するだけでは防げない

 5:「部下が自殺!」となる前に

 あなたの職場でも、うつ病の人が増えているのではないでしょうか。部下がうつ病の兆候を示したら、すぐに適切な対応をとらなくてはいけません。

 参考になるのは、大手広告代理店の電通で1991年に起きた入社2年目の男性社員の自殺事件です。00年3月の最高裁判決で「過労による自殺」と認定されました。

 判決では、仕事の負荷が原因でうつ状態が悪化していることを上司が「認識」していながら、負担を軽減するために仕事の量を調整するなどの適切な措置をとらなかった点を指摘し、電通と上司側の安全配慮義務違反を全面的に認めています。

 上司は男性の変調に気づきながら、仕事の量を減らしたり他の社員に振ったりするなどの対策をとらなかったのです。

 裁量権がある中堅社員ならまだしも、若い社員は「仕事に穴をあけ、迷惑をかける」ことへのおそれが先立ちます。具体的な改善策が提示されない限り、逆に追い詰められてしまいます。管理職は、この問題に真剣に取り組まなくてはいけません。

 ケアする際は「WHY(なぜ)?」で始まる質問で原因や理由を追求しないこと。というのも、「なぜこんな問題が起きたんだ?」という問いには、暗に相手を責めるニュアンスが含まれているからです。

 そうではなく、「HOW(どのように)」で始まる質問を投げかけ、どのようなプロセスで問題が起こったのかを客観的に振り返り、どのように解決していくかを一緒に考えていけるといいでしょう。

 上司だけではなく同僚も、何か様子がおかしいと気づいた時点で、一緒に具体的な解決策を探そうと、本人に声をかけることが大切です。

 このとき「最近、調子が悪いんじゃない?」という抽象的な問いかけをするのではなく、

 「仕事がたまっているけど、無理をしていない?」

 「顔色が悪いけど、眠れているの?」

 などと、具体的な根拠を示しながら心配していることを伝え、場合によっては受診を促しましょう。

「変だと思ったら、ラインを止める」