【KEY BOOK】「天から送られた手紙」(中谷宇吉郎・雪の科学館、加賀市地域振興事業団/1300円、在庫なし)
中谷のことも、雪のことも、雪の結晶の種類も、その美しい写真も、有名なナカヤ・ダイヤグラムのことも、すべてわかるように編集された軽快な一冊。片山津の「雪の科学館」が構成した。諸君が想定するよりずっと幻想的で立体的な結晶写真が収められているので、それを見るだけでも必見だ。きっと魂が奪われる。中谷は氷点下15度くらいになってからゆっくり降り出す雪が好きだった。その理由を知りたかったら、この本を読むといい。中谷の科学的な美意識がわかってくる。冒頭に『冬の華』からの引用が飾られている。「いつまでも舞い落ちてくる雪を仰いでいると、いつのまにか自分の身体が静かに空へ浮き上がっていくような錯覚がおきてくる」。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS (動画))
■まつおか・せいごう 編集工学研究所所長・イシス編集学校校長。80年代、編集工学を提唱。以降、情報文化と情報技術をつなぐ研究開発プロジェクトをリードする一方、日本文化研究の第一人者として私塾を多数開催。おもな著書に『松岡正剛千夜千冊(全7巻)』ほか多数。「松岡正剛千夜千冊」(http://1000ya.isis.ne.jp/)