この学校が評判なのは、「守」と「破」を了えると、誰もがイシス花伝所に入って師範代の資格がとれるところにある。教える者と学ぶ者が短期で交じりあえるのだ。こうして生まれた師範代は471名に達している。師範代から師範になった者も少なくない。そこには大学教授もプログラマーも、技術者も主婦も、経営者もミュージシャンもいる。みんなが知り合いになる。
イシスはISISと綴る。「インタラクティブシステム」と「インタースコア」という二つのISを掛け合わせた言葉だ。再生の女神イシスも象徴している。というのも、ぼくが考えている編集力は再生力なのである。情報や知識や出来事を、より充実した応用可能な解釈にするため、そこに従事する者たちが“相互の再生”をめざして編集的可能性を広げていくことなのだ。
世阿弥の序破急も、不白の守破離も「型」を学ぶことを重視した。情報編集力も型から入るのがいい。ただし序破急と守破離はちょっと違うものである。千葉周作は『剣法秘訣』で、序破急は拍子を感じることだが、守破離は筋目が分かることをいうと言った。いまの日本、筋目が欠けている。