「緩衝地帯」に執着
冷徹な現実主義者としても知られるプーチン氏には、「ソ連崩壊を悔やまぬ者には心がなく、かつての形のソ連復活を望む者には頭がない」という言葉もある。この言葉に沿えば、プーチン氏が主唱している「ユーラシア連合」はいわば、旧ソ連諸国を現代流に経済統合する組織といえ、旧ソ連構成国で第2の大国であるウクライナ抜きの連合体では経済効果も存在感も乏しい。
プーチン氏はソ連崩壊後のエリツィン時代に弱体化したロシアを再興し、大国として復活させることを自らの使命と自任してきた。その際、世界を帝国主義的な「勢力圏」の単位でとらえ、ロシアが枢軸の一つでなければならないと考える。さらに、「国境から離れた所に200%の安全保障を求める」とも揶揄(やゆ)されるソ連的な安保観を引きずるプーチン氏は、欧州との間に「緩衝地帯」を残しておきたいという執着があるのも確実だ。2008年に戦火を交えたグルジアと異なり、自国の安全という観点からウクライナが死活的に重要だと考えていることも間違いない。(SANKEI EXPRESS)