【KEY BOOK】「不思議の国のアリス」(ロバート・サブタ制作/大日本絵画、3990円)
いまやもっとも有名なポップアップ絵本である。「飛び出す絵本」はページを左右に開くとむくむくと両側から絵が立ち上がってくるしくみになっているのだが、この本ではアリスが訪れたトランプの国の場面が、無数のトランプのブリッジとなって立ち上がって、びっくりさせられる。ロバート・サブタは当代随一の絵本制作者。メッケンドルファー賞も受賞した。サブタの翻訳絵本は「飛び出ししかけ絵本」として大日本絵画が刊行している。
【KEY BOOK】「写真と芸術」(オットー・シュテルツァー著、福井信雄・池田香代子訳/フィルムアート社、2625円、在庫なし)
ぼくが長らく愛読してきた本。19世紀の画像や映像がもたらすスペクタクルが、どのように誰によってどこで仕掛けられてきたのか、全部わかる。近代の大衆は写真術の登場によって「本物」をどこでも見られるようになったのだが、だったらそのリアルな感動をもう一度「仕掛け」の中に入れ込みたくなったのが、映画やアニメや絵本などの20世紀メディアアートなのである。すべてはレンズマジックの再現なのだ。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)