≪津波警戒 情報収集に自治体奔走≫
南米チリ沖で日本時間4月2日午前8時46分に発生したマグニチュード(M)8.2の地震が引き起こした津波は、太平洋を隔てて約1万5000キロ以上離れた日本列島にも3日朝に到達する見込みだ。過去の南米沖の地震で発生した津波は、日本に何度も大被害をもたらし、気象庁は津波注意報の発表も検討。東日本大震災の被災地や、東南海地震で甚大な被害が想定されている太平洋沿岸地域は、情報収集や対策を急いだ。
臨時避難所を開設
「また船が流されないようにしないと」。震災で漁船を失った岩手県田野畑村の漁師、工藤寛さん(85)は、新たに購入した船をロープでつなぎとめる作業に追われた。
沿岸の漁業関係者が備えを急ぐ中、岩手県大槌町は午前10時、「南米チリでマグニチュード8.2の地震が発生しました」「今後の情報に注意してください」と防災無線を通じて一報が住民に伝えられた。
大槌町は震災の津波で1200人余りの住民が死亡・行方不明となり、3年が過ぎた今も堤防が決壊しているところがある。危機管理室は「情報を的確に伝え、住民の混乱を避けたい」。