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スタンド・バイ・ミー(いつもぼくのそばにいてね) 少年の心を描くホラー作家スティーヴン・キング 松岡正剛 (2/5ページ)

2014.5.29 15:20

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

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 ぼくが大好きな『スタンド・バイ・ミー』は短編集『恐怖の四季』のなかのひとつで、原題は『死体』だ。ロブ・ライナーが映画化するときにベン・E・キングの独白的な歌をかぶせて、この題名にした。「いつもぼくのそばにいてね」という意味だ。ひと夏の少年たちの体験に、ぴったりだった。この映画の出来には、意固地なキングもさすがに感動したらしい。

 キングの少年を描く手口は異様にすばらしい。平凡な町の日常の中に集う少年たちの心を、何げない出来事や符牒を合図にして、一気に邪悪と回心の遍路に引きこんでいくのである。そこにはたいてい対極者としての悪徳や超常現象が控えているのだが、その恐怖の厄災はすぐにはおこらない。なぜなら、それは少年や少女がすでに幼い頃に想像してしまっていたものでもあったからだ。

 ぼくにも「いつもそばにいてね」と思っていた或る空想があった。けれどもそんなぼくの秘密も、キングの手にかかったらたちまち暴露されてしまうだろう。

伏せられた潜在力がしだいに臨界に達していくプロセス

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