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クール・ジャパンはここから始まっている 江戸博物画の驚くべき描写力と構図 松岡正剛 (2/3ページ)

2014.6.11 17:10

上から島津重豪の辛夷(こぶし)、左に掘田正敦のメジロ。右に高木春山のサイチョウ。下左が重豪のフトモモ。下が栗本丹州のランチュウ(小森康仁さん撮影、佐伯亮介さんデザイン、松岡正剛事務所提供)

上から島津重豪の辛夷(こぶし)、左に掘田正敦のメジロ。右に高木春山のサイチョウ。下左が重豪のフトモモ。下が栗本丹州のランチュウ(小森康仁さん撮影、佐伯亮介さんデザイン、松岡正剛事務所提供)【拡大】

  • 【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)
  • 【BOOKWARE_松岡正剛】BOOK_MEETS_BOOK

 いや、そのほか関根雲停のカニ、吉田雀巣庵(じゃくそうあん)のトンボ、奥倉辰行の魚類も、服部雪斎の鉱物描写も、ものすごい。ともかく江戸博物画を見ることは、いつも涎(よだれ)が垂れるほど、ぼくをたっぷり堪能させてきた。

 いったい何がこんなに堪能させるのか。まずは顔料(岩絵具)で描かれていることがいい。塗りたくっていないし、重ね塗りがない。次に筆致と描写力とがいっぱいに闘いあっている。そのため平板なカタログにならず、生き生きと見えてくる。さらには世界中の美術家たちが驚愕した浮世絵がそうであったように、見る者をそこへ誘いきるかのような構図が圧倒的な魅力なのである。

 もし、一度もこの手の江戸博物画を見たことがないなら、どうしても見なさい。日本に自信がもてるようになる。

 【KEY BOOK】「彩色江戸博物学集成」(上野益三ほか著/平凡社、19008円、在庫なし)

 ともかくこの一冊を入手すべきだ。かつて「アニマ」に連載されていたものだが、江戸の本草学者と本草絵師たちが、時代順にほぼオンパレードしている。表紙のカニは細川重賢の絵だ。本草絵は日本におけるヴィジュアル・エンサイクロペディアだと思えばいい。正確をめざしつつも、見る者を驚かせたいという意欲に満ちている。そこが何度見ても飽きさせない。一家に一冊、江戸博物学。クール・ジャパンはそのあとだ。

日本では、古来、「活けどり」が発達してきた

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