警戒区域は、広島県で1999年に発生した大規模災害をきっかけに制定された土砂災害防止法に基づく。指定されれば、地域防災計画で位置付け、自治体はハザードマップを策定したり、避難訓練を実施したりする。このうち住民に著しい危険の恐れがある「特別警戒区域」では、開発が規制され、都道府県は建物の移転を勧告できる。
警戒区域の指定は7月末時点で全国に35万4769カ所、うち特別警戒区域は20万5657カ所で、都道府県のばらつきも目立つ。資産価値低下への住民の懸念や調査に労力がかかることが指定が進まない理由とみられ、政府は支援策の具体案を今後詰める。
災害時の避難勧告・指示について政府は、市町村に発令基準を検証するよう求める。昨年(2013年)の伊豆大島の土石流災害を踏まえ、内閣府は4月「空振りを恐れず早めに出す」ことを求める新指針を決めており、これに沿った対応を徹底してもらう。
ハード面の対策として、避難路の整備やセンサーを活用した土砂災害の監視体制強化、砂防施設の長寿命化なども進める。(SANKEI EXPRESS)