小入野地区の43戸すべてが中間貯蔵施設の建設予定地内にある。「みんな口に出さないまでも、帰れないことは分かっていた。もっと早く答えを出してほしかった」。根本さんは深いため息をつく。
地権者として、国から施設建設の合意を求められれば受けようと考えている。完全に納得できたわけではないが、「もどかしい生活が終わるスタートに、ようやく立てる」
一緒に暮らしていた長男(46)は帰還への思いを断ち切り、ひと足先に「帰らない」選択をした。福島県いわき市に土地を購入して、自宅を建てた。根本さんも、長男宅の近くに居を構える考えだ。
「落ち着いた先で死にたいという義母の願いをかなえたい」。自らに言い聞かせるようにうなずいた。
仮設に残る高齢者
浪江町の住民が避難を続ける二本松市の安達運動場仮設住宅で今月6日、震度5強の揺れが襲ったとの想定で避難訓練が行われた。スピーカーで自治会関係者が避難を呼びかけると、住民が次々と集会場近くの空きスペースに姿を見せた。