「海の真ん前で、のんびり第二の人生を歩もうとしていたところだった。こんなはずじゃなかった…」
本田さんを何より苦しめたのが、浪江に足を踏み入れることさえままならない現実だった。親類も満足に供養できない。妻は、風が親類らの泣き声に聞こえると涙したこともあった。
町は17年の住民帰還開始という目標を掲げるが、除染がほぼ手つかずの状態に不安は募る。それでも帰りたい。「いいかげん、帰れるめどだけでも示してくれないと、心が折れてしまう」
商業施設や学校ない
帰還できたとしても不安は尽きない。川内村は10月1日から村民の約1割に当たる139世帯の避難指示が解除される。だが、8月17日の住民説明会で先延ばしを求める声が相次いだ。