≪「巡礼のよう」 ひたむきにゴール目指す≫
今年の「ブエルタ・ア・エスパーニャ」はスペインの南端、アンダルシア地方で40度を超える酷暑の中開幕した。レースが進むにつれて荒涼としたスペインの大地を北上し、最後はスペイン北西部のガリシア地方へ到着。キリスト教の三大聖地であるサンティアゴ・デ・コンポステーラで、最終ステージとなる個人タイムトライアルが開催された。
いつもはスペインの大都市でのゴールが多いが、今年は例外的にサンティアゴ・デ・コンポステーラでのフィナーレとなり、最終ステージを終えて、巡礼者たちが長い道のりを経て目指すカテドラル(聖堂)の前で最終表彰式が執り行われた。
世界遺産になっているサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路は、さまざまな経路があるが、スペイン国内だけで800キロ以上にも及ぶ。現在でも厳粛な信者をはじめ、世界中から多くの人が集まり、約1カ月半から2カ月かけてその巡礼路を歩いている。
今年のブエルタ・ア・エスパーニャの総走行距離は3239キロ。3週間にわたって開催されるグランツールは、ときとして旅にたとえられる。さまざまな天候下で、ひたむきにゴールをめざして走り続けることは、自分との戦いでもあり、そうした側面が巡礼と重なるのだ。