ライプニッツは途方もない才能の持ち主で、その学識力・発想力・表現力は歴史上でも群を抜いている。数学・論理学についての大胆な提案のほか、神学・政治・歴史・外交にまでその業績は及んだ。だからその特異な構想の根幹にあるものを一言ではとうてい言いあらわせないが、ぼくはずっと「アルス・コンビナトリア」(結合するための大いなる技能)にあると思ってきた。
世界を理解するには、これを幾つものグループや要素にいったん分別しなければならない。そこには共通するものと差異を示すものが出てくる。けれどもこれらを再統合しないかぎりは、世界に触れたことにはならない。ライプニッツがさまざまな視点をもってやってのけたことは、この再統合のためのアルス・コンビナトリアだったのである。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)