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折口信夫を読まない日本人はモグリだ 「妣(はは)なる国」を綴り続けた近代的古代人 松岡正剛 (1/5ページ)

2014.9.2 16:25

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

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 【BOOKWARE】

 日本の近代文学のベストテンを選ぶとしたら、むろん選び方によって幾つもの番付ができるだろうが、ぼくはずっと以前から折口信夫(おりくち・しのぶ)の『死者の書』を入れたいと思ってきた。冒頭、「した した した」「こう こう こう」という太古の雫(しずく)の音が聞こえてくるところから始まる、霊妙きわまりない物語だ。

 舞台は当麻寺を麓にもつ二上山。時は奈良中期。死者がめざめ、失っていた記憶を呼び戻したのである。その記憶の糸はしだいに当麻寺に眠る中将姫の伝説へ、さらには山越阿弥陀の伝承へとつながって、歴史をさまようことになる。まさに折口が古代人に憑依(ひょうい)して綴ったような物語だった。

 『死者の書』を構想するにあたって、折口が思い浮かべていたことは、「神の嫁」とはどういう役割をはたす者なのかということと、日本人が彼方に常世(とこよ)や浄土を想定した背景には何があるのかということだ。

 折口は小さな頃から、年上の青年に憧れ、万葉歌や源氏物語に耽り、神社を一人で訪れるような、フラジャイルで多感な少年だった。

古代と未来を行き来できる言葉を司れた研究者、表現者

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