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折口信夫を読まない日本人はモグリだ 「妣(はは)なる国」を綴り続けた近代的古代人 松岡正剛 (3/5ページ)

2014.9.2 16:25

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)【拡大】

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 しかし最近になって、折口についての論評がたいへん充実してきた。折口の最後の愛弟子だった歌人の岡野弘彦さんが封印を解いて語り始めたこと、富岡多恵子や中沢新一や安藤礼二が斬新な切り口をもって新たな折口論を書いていること、『死者の書』や『身毒丸』などが舞台化・映像化され始めたことが大きい。とても嬉しい。

 その一方、釈迢空の「近代の言霊(ことだま)」のような歌言葉の秘密には、まだ思い切ったダイビングがおこっていないようにも感じる。誰かがそこに投企してほしい。

 【KEY BOOK】「死者の書・身毒丸」(折口信夫著/中公文庫、637円)

 わが折口入門は、27歳のときに脊髄障害をおこして入院したときに一念発起して折口全集を購入し、くる日もくる夜も読み耽ったことに始まる。『死者の書』だけは学生時代に出会っていた。「氏語り」とは何かという謎が解けて驚いた。死者を呼び覚ます「こう こう」「した した」といった音は、実は「氏語り」を促す音でもあったのである。『身毒丸』は説経節の翻案だが、いかにも折口らしい味付けになっている。その後寺山修司も現代戯曲に翻案した。

折口信夫の晩年を伴走した最後の青年

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