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世界体操 まさかの大逆転 口が塞がらない (1/4ページ)

2014.10.15 11:25

中国に逆転優勝を許し、大きな口がなかなかふさがらなかった日本のエース、内村航平=2014年10月7日、中国・広西チワン族自治区南寧市(共同)

中国に逆転優勝を許し、大きな口がなかなかふさがらなかった日本のエース、内村航平=2014年10月7日、中国・広西チワン族自治区南寧市(共同)【拡大】

  • 完璧な静止、筋肉の躍動。内村(航平)個人総合のつり輪=2014年10月9日、中国・広西チワン族自治区南寧市(共同)
  • 男子個人総合決勝で5連覇を果たした内村航平の鉄棒の連続合成写真=2014年10月9日、中国・広西チワン族自治区南寧市(共同)
  • 男子個人総合、田中佑典(ゆうすけ)の美しい鉄棒の演技=2014年10月9日、中国・広西チワン族自治区南寧市(共同)
  • 中国・広西チワン族自治区

 開いた口が塞がらない、というのは、こういう状態をいうのだろう。実際、時間が止まったように表情は固まったまま、この口が塞がるまで相当の時間を要した。

 中国の南寧で7日行われた体操世界選手権の男子団体。日本のエース、内村航平(25)が口を開けたまま見上げる視線の先には、会場の電光掲示板があった。

 映し出されたのは、最終種目鉄棒の最終演技者、中国、張成竜の得点。「15.966」。まさかの高得点でトップを走っていた日本は大逆転を許し、ほぼ手中にしていた1978年、ストラスブール大会以来36年ぶりの団体優勝を逃した。合計得点の差はまるで計ったように、わずか0.1だった。

 地元開催の世界体操。会場の拍手は中国の演技のみに贈られる。逃げる日本、追う中国。ほぼ絶望的な点差で鉄棒に向かう最終演技者に、スタンドの観客はあらん限りの「加油(がんばれ)」の声援を繰り返した。

 張の演技は素晴らしかった。最高難度の技を立て続けに繰り出し、大きなミスはなかった。会場の大歓声が採点の後押しをする。

 だが、選手たちは、どんな演技、どんな技にどんな得点が出るか体感している。まして内村クラスの王者となれば、その誤差は100分の1単位の精密なものだ。だからこそ、逆転はあり得ないと信じていた。電光板の数字が信じられなかった。

言いたいことは山ほどあるけど… 「場所の分」

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