まさかの銀に内村は「言いたいことは山ほどあるけど」と言葉を濁し、それでも中国との差を問われると「場所の分」と答えた。ひねり王子、白井健三(18)も「負けた気は全くしない」と悔しそうだった。昨年の個人総合銀メダリスト、加藤凌平(21)は「これが採点競技の怖さなのか」とつぶやき、表彰台でもうつむいたままだった。
絶対エースのオールラウンダー、内村や加藤にスペシャリストの白井らを加え、日本チームは最強のはずだった。それでも負けた。ショックはあまりにも大きいはずだった。
≪全種目別トップ 内村が目指す高み≫
男子団体銀のショックなど、どこにあったのだろうと思わせる、内村航平の世界体操個人総合5連覇だった。
手先やつま先に至るまでのすべての関節に意識が行き届いた世界に類をみない美しい演技は従来通り。加えて昨年より技のD難度を上げてきた。
代名詞ともなっている「着地」を吸い込まれるようにピタピタと止める。