シリア北部の支配地域で、ミサイルと共にパレードする「イスラム国」の戦闘員。この狂信的過激組織にウイルスが渡れば、恐ろしいバイオテロがあるとみてよい(AP)【拡大】
国家を気取るイスラム国が、遺伝子操作でワクチンを拒む変異ウイルスを開発すれば新ワクチン完成→薬効確認の間、感染は勢いを極大化する。感染者の移動は免疫で保護されていた時代とは劇的に様変わりし広範囲で迅速=交通手段の進歩と国際化も惨劇の加速を許す。
東京五輪も格好の標的
ところが、医療先進国らしからぬ日本の対テロ救急医療の惨状は、テロリストをテロへと誘う必然性を帯びる。東京五輪も格好の標的となる。
ワクチン備蓄は、2002年時点の250万人分を最後に、日本政府は危機管理上公表を控えている。備蓄数を確保しても、診察・治療訓練を経験する医師はほとんどいない。風邪の初期症状に似る天然痘を看破し、かつテロだと疑う意識は低い。
防衛医科大学校や各自衛隊病院は一般病院・医師より態勢やマインドは高度だが、防衛関係を含む日本の感染症対策医療機関と、CDCやそのミリタリー版=米陸軍感染症研究所の組織・投資規模には巨大な開きがある。