【KEY BOOK】「アフリカの魂を求めて」(ヤンハインツ・ヤーン著、黄寅秀訳/せりか書房、3240円、在庫なし)
ヤーンは長年にわたってアフリカの基層文化の研究に携わってきたドイツの研究者である。とくに文学と芸術に詳しい。その目はつねに真性のネグリチュード(黒人)に向いてきた。そしてそこから、幾度となくアフリカの哲学の本質を取り出してきた。生命と集団とが交錯するントゥやクントゥの哲学を。本書にはアフリカの造形力の起源が凝視されている。なぜあのような強烈な彫塑や衣裳が生まれてきたか、そこを解明する。またルンバやブルースが一族共同体のリズムを創造してきた経緯が述べられている。アフリカンビートがかれらの魂のエンジンになってきたことが、よくわかる。ヤーンはそれらはことごとく様式という哲学で仕上がっていると見抜いた。