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【木村英輝さん 生命を描く】(4-4) 1100年の歴史に輪廻の青 (3/5ページ)

2015.1.8 19:10

キーヤン作品ではしばしば使われ、象徴カラーともされる「ウルトラマリン」(ブルー)で彩られた蓮の花。60面の襖絵はほぼ1人で約1カ月で仕上げた=2014年10月8日、京都市東山区の青蓮院(田中幸美撮影)

キーヤン作品ではしばしば使われ、象徴カラーともされる「ウルトラマリン」(ブルー)で彩られた蓮の花。60面の襖絵はほぼ1人で約1カ月で仕上げた=2014年10月8日、京都市東山区の青蓮院(田中幸美撮影)【拡大】

  • 孔雀とコットンローズが描かれた店内=2013年12月30日、京都市東山区の「広東料理_ぎをん森幸」(田中幸美撮影)
  • すき焼きの老舗の店内には、オーナーがソムリエであることから、牛とブドウの絵を描いた=2014年11月4日、東京都中央区の「今朝」(田中幸美撮影)
  • スケッチだけでなく、さまざまな生態を飼育員から聞き取るなどして描き上げたゴリラ。動物園では子供たちの人気スポットとなっている=2014年10月7日、京都市東山区の京都市動物園(田中幸美撮影)

 構想から完成まで約1カ月。こうして2005年1月に完成した襖絵は、相阿弥の庭を見渡す部屋にブルーグレーの落ち着いた蓮が、真ん中の部屋にはワインレッドの蓮、そして奧の部屋には「ウルトラマリン」と呼ばれるキーヤン作品を象徴する青を使った蓮が描かれた。

 襖絵のお披露目の集いには、ロックのプロデューサーをしていたころから45年来の付き合いのある内田裕也さん(75)、樹木希林(きき・きりん)さん(71)夫妻を招待した。キーヤンが絵を描くことを知らなかった2人は喜んだ。

 後日、希林さんから電話で「その枯れた蓮をうちに描きませんか」と誘われた。家を建て直したときに4枚の板戸を作ったが、描き手が見つからなかった。枯れた蓮だけでなく4輪の青い蓮の花と1つのつぼみも描き加えた希林さんの家の襖絵は、「蘇る蓮」と名付けた。海外留学で英語が堪能だった希林さんの長女、也哉子(ややこ)さん(38)が「Lotus(ロータス) Revives(リバイブス)」というしゃれた名前に訳した。希林さんは「板戸が腐って朽ちても絵の具は残るらしい。なんか木村英輝のようだ」とコメントを寄せた。枯れた蓮は蘇り、輪廻を体現した。

意外な縁で…

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