ぼくはできるだけ多くの日本人がパルバースの本を読むといいと思っている。とくに『もし、日本という国がなかったら』と『日本ひとめぼれ』だ。もしこの世に日本がなかったら、世界はうんとつまらなくなっていただろうが、そのことを一番わかっていないのが日本人なのではないかと告げている2冊だ。かなり説得力がある。
パルバースは「一楽、二萩、三唐津」がわかっているし、宮沢賢治にも井上ひさしにも通じている。俳句の切れ字、『枕草子』の趣向、イッセー尾形やつかこうへいの味が見えている。各地の祭りを見まくり、和辻哲郎の風土論を読み解いた。こんな日本人はめったにいない。UCLAとハーバードの大学院をへて、1967年から日本で活動を始めたが、さまざまな縁あって若泉敬と一緒に仕事をしたし、大島渚の『戦メリ』づくりにも参加した。若泉はニクソン・佐藤が「核持ち込み密約」を結んだときに現場にいた唯一の民間日本人である。
では、もうひとつ。今度は村上春樹についての御案内リメリックだ。
He is the great Japanese challenger
(あっぱれ日本のチャレンジャー)